質と量の関係

積木

届いた積木を使って円筒ドームを作ってみた。

今回使っているのは、集団WAKU-BLOCKといって、童具館から複数人数ようにセットで販売されたもので、かなりの量がある。

本来なら、1人で使うような量ではないのだけれど、会場の下見や作れる大きさなどを確認するために、僕1人でやっている。

・・・のだけれど、少々後悔。

会場に運び込むまでが、なかなかに大変だった。

積木は、高く積んだり大きなものを作ったりと思うと、1つ1つにそれなりの大きさと重さが必要になる。

WAKU-BLOCKは、かなり重い方の積木で、集団用のものともなると数も多い。

31箱分を車に積むとこんな感じになる。

お分りいただけるだろうか。

我が家の車はミニバンなので、荷物はたくさん積める方だが、三列目を上げて入れてこの量である。

ちょいと腰が辛い。

今後ギックリ腰には十分気をつけよう。

さて、会議室を借りた「エコールみよた」に到着し、積み込みと同じく大変な積み下ろしをしていると、通り過ぎる人が「なんだこれは」という顔をしてみていく。

そのみんなに、この積木の素晴らしさを伝えたい衝動にかられつつも、頭のおかしいやつだと思われないように作業を続けて、受付へ。

今回は僕の練習なので、申込者を自分の名前にしていたのだけど、会議室利用のホワイトボードにデカデカと自分だけ名前が書いてあるのは少々恥ずかしい事に気がついた。

次からは積木ワークショップに変えよう。

まだ、1人だけど。

いよいよ、制作開始。

真新しい積木の感触に惚れ惚れしながら、積木を積んでいく。

これから子どもに積木を買おうと思っている方には、ぜひ一番初めは新品の物を用意して欲しいと思う。

顔を近づけると感じる木の香りや、吸い付くようなピッタリ感は、新品でしか味わえない。

積木を大好きになること請け合いである。

まずは立方体で土台を作る。前回の記事にも書いたが、この時木口を上向きに揃えると、高さがきちんとそろう。

人が1人中に入れる大きさを、手持ちの積木で作れるのはこのくらい。

これを立方体が足りなくなるまで積み続ける。

11段ほど積んで、今度は直方体に切り替え。この時点で大体高さ50センチほど。

直方体は、長さが立方体の倍、幅は同じで、高さが半分でピッタリに作られている。

なので、立方体と直方体をそれぞれ2つずつ並べると、全く同じ大きさ、形になる。

子どもは、2歳くらいになると、「一緒」である事をとても喜ぶようになる。

これは、自分と他者、コレとアレの間に共通項を発見した事が嬉しいからだと思われる。

それは、「仲間になりたい」という人間の本能に根ざすものと言われている。

なので、この時期に「ピッタリ」をたくさん感じられるものを用意するといい。

これが、面取りをしていない積木をオススメする大きな理由である。

直方体を18段積むと、ちょうど高さ90センチになる。

まだ、直方体は余っているが、子どもが積むことを考えると、このくらいか。

次に屋根をかける。ここで、長板登場。ビッシリ敷き詰めるのではなく、隙間を作って積むのがいい。その理由は後ほど。

お次は入り口を作る。

「どうやって」と思った方。

簡単である。

壁の一部を崩すのだ。

このように。

良質な積木ならこれができるのである。

きちんと規尺に合わせて作ってあること、ある程度の重さがあることの大切さが分かる。

中から上を見上げるとこんな感じ。

隙間から入る光がとてもきれいに見える。敷き詰めてしまうと、暗いだけになってしまうので、隙間が多いくらいでちょうどいい。

裏口も開通させる。

いくつ穴が開けられるか試してみる。

4つまではできたが、5つめを開けたところで崩落。

崩れる時は、ガシャーン!となかなかの音を立てて崩れ落ちる。

これも積木の楽しみだったりする。

さて、ここまでで使った積木、23箱弱ほど。積木の数にして約1350個。

写真を見ていただければ、かなりの量であることは分かってもらえるだろう。

童具館では、これを10人程度までとして販売している。

しかも、今回は3種類しか使っていないので、少ない方なのだ。

子どもが何か作りたいと思った時に、十分な量がある事の大切さは、誰でも理解できると思う。

ただ、どれだけあれば十分なのかを分かっている人は少ない。

もちろん、作る子どもや、作りたいものによってその量は変わってくるのだけど、子どもが満足する量と、大人が1人分と考えている量にはかなりの違いがあると思ってほしい。

十分な量があれば、子どもは大人の思いもよらないようなすごい物を作り上げるはず。

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