正月のテレビ番組に、駄菓子の問屋さんで買い物をするシーンがあった。
それを見ていた長女は、
「駄菓子屋で買い物がしたい」
と言い始めた。
まぁ、気持ちは分かる。
駄菓子屋って、子どもにとったら宝の山のような場所だよね。
あれやこれやと悩みながら、買い物をするのが楽しい場所。
そう、娘は「買い物を楽しみたい」と思ってるんだ。
もちろんお店に行って買い物するのも楽しいけど、
そんなのが日常的に味わえたら、ちょっと嬉しいかなーと、1つ考えて娘に提案した。
「学校のオヤツを駄菓子屋制度にしてみようか」
長女の通う学校は、毎日オヤツを持っていくことになっている。
持っていくオヤツは、スナックでも、おにぎりでも、干し芋でも何でもいい。
昔の遠足みたいに300円とか、金額も決まってない。
今までも何種類か用意して、好きなものを選んで持って行っていたけど、
そこにわざわざ、「お金を払う」という要素を取り入れてみる。
しかも、買う方が望んで取り入れるというのだから妙な話だ。
せっかくなので、お金の勉強も兼ねてやってみよう。
今までとやってる事に代わり映えがないとつまんないので、駄菓子屋の屋台を作る事にした。
やっぱり、雰囲気って大事ね。
それでは、手近にある材料を集める。
イメージとしては、商品の陳列棚。
そこに、何種類も駄菓子が並んでいる感じ。
まずは土台。箱の底だけをカット。
やっぱり、縦に並んでたほうがワクワク感が増すよなー。
ということで、棚板を取り付ける骨組みを作る。
箱の形を保てる強度を確保しつつ、向こう側が覗けるようにカットしていく。
なぜ覗けるようにしたかったのかは、今考えるとよく分からない。
板のままでも良かったんじゃないか?
父が勝手に工作を楽しんでいるのを見て、娘も何やら作りたくなった様子。
カメラマンの役を放棄して、ゴソゴソ作り始めた。
そうこうしている間に、棚板も完成。
スリットで固定するために、棚板と背板に切り込みを入れて差し込むと、陳列棚っぽくなった。
ゴソゴソやっていた娘もできたらしい。
作っていたのは、車のキーとカード。
車のキーはインテリジェンスキーだった。
こういうところは、ジェネレーションギャップを感じるね!
鍵がボタンのついた板なんだもん。
時代だよなー。
カードは「CIAカード」なんて書いてあるから、諜報員かと思いきや、
娘曰く「AICカード」だそうな。
よく、反対に書くので右から読むのが正解らしい。
ETCのことかな?
後は色塗りなので、翌日に持ち越し。
早くお菓子を並べたい娘は、ブー垂れていた。
イヤイヤ、まだお菓子も無いがな。(名古屋弁か?)
翌日は、下塗りとお菓子の買い出しを、次女の昼寝までにやらないといけないので、朝から絵の具を引っ張り出してきた。
あ、違った。下地は白ペンキだった。
前日の雪が薄ら残る中、寒さを堪え下地塗りをする父と娘。
そんな父と姉の様子を、ほったらかしにされた次女はかじりつくように見ていた。
ところで、疑問に思う方もいる事だろう。
「何でわざわざ白で塗るのか?」
「どうしてペンキなのか?」
「バナナはオヤツに入るのか?」(どーでもいい)
一つずつ答えていこう。
白で下塗りをする理由は結構簡単。
「ダンボールの柄が透けて見えないようにするため」と、
「上から塗った絵の具の発色をよくするため」の2つ。
確かにちょっと面倒だけど、これをやるかやらないかでは、出来上がりの完成度に大きな差が出る。
それは、娘が通っていた「わくわく創造アトリエ」の制作で、何度も体感した。
そして、子どもにとって、「手間が増える事」は、必ずしも「面倒な事」では無いのだ。
絵の具で色を塗る活動は、それ自体が楽しいから、たくさんできた方が満足する子が結構いる。
こういうところに、大人と子どもの感じ方の違いはよく現れる。
多くの場合子どもって、「効率よくやる事を望んではいない」んだよね。
作り上げる過程を楽しむって、大事だなぁと思う。
ちょっと、話がそれたかな。
もう一つの、「何でペンキなのか」は少し順を追って説明したい。
我が家では絵の具といえば、アクリル絵の具である。
子どもの絵画活動にはアクリル絵の具が最適。
まず、発色がいい。
そして、乾きが早く、画面で程よく混ざり合う。
さらに、かなり何にでも描けて、耐水性が高い。
固形絵具やポスターカラーでは、こうはいかない。
その上で、僕は仕事でも絵の具をよく使い、今回みたいに下地として、白や黒で塗ることが多い。
それをアクリル絵の具の白や黒でやっていると、流石にコストが高くなる。
そこで、水性ペンキの出番である。
水性ペンキはアクリル絵の具との親和性が高く、大量に安く買える。
だから、白ペンキなのです。
最後に、バナナはオヤツに入るのかだけども、
オヤツだと思う人はオヤツに入れればいいし、
デザートだと思う人は、弁当に入れればいい。(本当にどーでもいい)
さて、下塗りができたところで、肝心のお菓子の買い出しに行く。
せっかくなので、駄菓子屋チックなお菓子を並べたい。
よって、ショッピングモールに入っている駄菓子屋へ。
長女に好きなお菓子を何種類か選ばせて、店員さんに箱で売ってもらうようにお願いする。
「お店の人に、買いすぎって思われてないかな?」
なんて心配をしている長女。
そんな風に、自分が人にどう見られているかを、気にするようになったのね。
随分、成長したもんだ。
買い出しが終わると、おなかペコペコの次女はもう限界。
慌ててフードコートのうどん屋で、お昼ご飯を済ませて帰宅。
車の中で眠りについた次女を布団に運ぶのも待ちきれず、
「早くお菓子並べようよ」
と、またもやブー垂れていた。
下塗りしただけで、色塗りがまだだろうに。
次女を寝かしつけたら、色塗り再開。
今度こそ絵の具の出番。
使おうと思っていた、16色セットの絵の具は、すっかり固まってしまっていた。
ちくしょう。
それより随分前に買ってあった、大入りの絵の具を出してくる。
こちはらまだまだ健在。
やっぱり、大入りのやつの方が、長持ちするなぁ。
しかし、色数が随分少ないので、そのままペタペタ塗っていくと、原色で彩られた屋台が出来上がりそう。
うん、彼女が楽しければ、それでいいんだ。それが一番。
木目の本体に瓦葺きの屋根、みたいなものを想像していた父の目論見は儚く散った。
ついに完成ー❗️
出来上がりがこちら。
かなり派手になったな…
乾くのを待つ間に、次女覚醒。
陳列は次女が夜寝てからという事になり、三度ブー垂れる長女。
そこからは、スーパー次女タイム。
3時のオヤツに、夕飯の準備をして食べさせて、
すぐさま風呂に入り、風呂上がりの保湿、食器洗い。
合間合間に絵本を読めとせがんでくるのを相手をしたり、かわしたりの後、
寝かしつけという、怒涛の時が過ぎたところで、ようやく長女の相手ができる。
ホント、子育てって人手が要るよね。
さあ、お待ちかねの陳列タイム❗️
コレはココ…、コレの残りは後ろに…、とやっていると、小袋の繋がった菓子を見て長女が、
「コレ、何かで横に掛けたらいいんじゃない?」
と提案してきた。
そう!父もそう思っていたよ!!
実際に駄菓子屋の陳列を見てきた後だから、イメージが湧きやすかったと思う。
こういう気づきのために、駄菓子屋へ買いに行ったのだよ。
ごっこ遊びは、生活の再現だから、
子ども自身に実体験が有るか無いかで、遊びの幅が随分違ってくる。
イヤー、駄菓子屋へ行った甲斐があったってもんだね。
実際に陳列された屋台は、色塗りの時の印象とは違って、驚くほどサマになった。
さっそく、明日の分と、今から食べる分のオヤツを買うと言う長女。
まぁ、歯磨き前だからいいでしょう。
何を買おうかと眺める姿が、なんとも可愛らしかった。
れちとび 2月のワークショップ「つみきであそぼう」は、ただいま申込みを受付中です。
今までの積み木の概念を覆す、ダイナミックな積み木遊びを提案します❗️
お申込みはこちらから↓
コメント