5月に税務署へ行き、正式に「れちとび」を屋号として使い始めて1ヵ月が立った。
見てくれる人に分かりやすいロゴが欲しいと思っていたのだけれど、
正直、絵心や美術的センスには覚えがないのでどうしようか迷っていた。
けれど、よくよく考えたら、兄が美大を出て、デザインや美術の仕事をしていたことに今更ながら気がついた。
そこで、
安くやってくれないかなー
という下心満載で、
カナダに住む兄にメールをしてみると、ありがたいことに、快諾してもらえた。
デザインを決めるにあたって、参考となる情報をいくつか求められた。もちろん、「れちとび」という屋号の由来も。
少しそれについて話したいと思う。
この「れちとび」という名前は、英語の「Let it be」からきている。
繋げて書くと、「letitbe」となり、
ローマ字っぽく読んで、「れちとび」。
僕の好きなビートルズの名曲であり、その言葉の意味の通り、
子どもたちの存在をそのままに受け入れていこう、という思いを込めた。
自分自身が今、自己受容という課題に取り組んでいることも関係している。
その中の、「be」という単語と、
そして、メインの仕事である積木、
和久メソッドの肝である、
「つながり」というキーワードにインスピレーションを得て、
何回かのメールの後に出来上がったデザインが、これだ。
「be」の発音の「び」が、木の組み次によって表されている。
同時に「つなぐ」というキーワードが一目瞭然に分かる。
さらに、その全体像はフレーベルの積木の基本である、立方体となっている。
かつ、これは全くの偶然なのだが、
大師匠である、和久洋三先生が、以前作った童具の「くさび」を思わせるデザインなのも、僕に「つながり」を感じさせた。
(どちらも、組み次をもとにしているので、デザインが似るのは当然なのだけど)
さらに、商品の刻印に使えるとか、
屋号とキャッチコピーを一緒に入れるといいとか、
大きさや、図と文字の配置にバリエーションを作っておくとか、
僕の頭にはないことまで、色々と提案してくれた。
僕は、兄のことを侮っていた。
兄弟のよしみで安くやってくれるのだから、そこそこの物を作ってくれるのだとばかり思っていた。
しかし、彼は自分の才能と仕事に誇りを持ち、真剣に弟のためにデザインを考えてくれた。
何より、兄が僕の考えた名前をいい名前だと言ってくれて、その思いを汲み取ろうとしてくれたことが伝わってきて、
本当に嬉しかった。
僕も、妻も、娘も、
すっかりこのデザインが気に入ってしまった。
もうこれ以外にないと思えるほどに。
兄にデザインを頼んで良かったと
心から思った。
この場を借りて、感謝したいと思う。
このロゴに恥じない仕事をしていきたいと思う。
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