インタープリター講習の2日目。
天気は回復し、青空が出てきた。
朝食はご飯に合いそうなおかずが並んで、思わず4杯もおかわりをしてしまった。
赤沢自然休養林は、木材を切り出すために、森林鉄道が発達した森。
軌道敷跡がそこら中に残り、観光用に一部が稼働している。
鉄道が発達する前は、川を運搬に使ったので、散策用の木道が整備されて、森林浴のメッカとなっている。
多くの木は水木沢と同じく、木曽五木のうちのヒノキ・サワラ・ネズコに加え、アスナロもたくさん生えている。
もちろん、その他の植物もあり、今年は紅葉が遅れているが、いち早く赤くなるマルバノキが出迎えてくれた。
この木は別名ベニマンサクと言われるマンサクの仲間。珍しいことに、紅葉の時期と花の咲く時期が同じ。
しかも、昨年の実が1年間残っている事が多く、花と紅葉と実が同時に楽しめる。
一粒で二度美味しいならぬ、一本で三度楽しい木なのだ。
この日は一般に公開されているルートのほかに、研究用に制限されているエリアまで見せてもらえる特別な機会。
森林管理局の職員さんに連れられて、登山者憧れの赤沢奥千本へ出発。
林鉄の軌道敷跡を辿っていくと、打ち捨てられた車両があった。
この辺りでは色々なことに林鉄が利用されていたので、中には理髪車両なんてものもあったらしい。
刈られた人は、虎刈りになるのは気にならなかったんだろうか。朽ちた林鉄の車両
よく見ると木製の車体から木の芽が生えている。
ジブリの映画に出てきそうな光景だった。
さらに進むと、周りと違い一枚の葉もなく、白くなった木があった。
弱り切っている木なのだけど、おそらく落雷にあったんだろうとのこと。
やはり水木沢とは違い、殆どが針葉樹で、広葉樹が絡まるようなものは見られない。
整然と立ち並ぶ針葉樹の林は、観光客がいないので、しんと静まり返っていた。
それでも現在では、出来るだけ人の手を加えないという方針で管理されていて、奥まで見渡せた以前とは違い、アスナロの幼木がヒノキの足元に立ち並んでいた。
水木沢にも見られた「根上がりの木」。
根が地面から飛び出ていて、幹と地面の間にポッカリと穴ができている。
どうやってできたか、皆さん分かりますか?
実は、この空間部分には以前、倒木や切り株があったんです。
それが長い年月をかけて朽ちていき、新しい木の部分だけが残っているというもの。
この、根上がりの木が投資家には縁起がいいとされて、ありがたがられているのだそう。
そりゃぁ、「値上がり」したら嬉しいでしょうね。
投資家なんて、理詰めでやる商売のように感じるけど、どんな人も最終的には、神頼みなのね。
神頼みといえば、ここ赤沢は、神様と深い関わりがある。
最近、遷宮が行われた伊勢神宮の社に使われる木は、どれを使うか、育てる段階から目星がつけてあって、一つ前の遷宮の際に、赤沢の木が使われている。
こちらがその切り株。
神事に使う木なので、チェーンソーは使えません。
斧を使った「三つ紐切り」という伝統技法で切り倒します。
ここも制限区域なので、一般には公開されてません。
役得、役得。
美しい自然を満喫して来ました。
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